【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


「なあ、陽花」

「ん?何?」

 次の日の朝8時八、洗濯物を干しながら、わたしは夫の方に振り返った。
 
「クリスマスの日、空けておいてくれないか?」

 夫はわたしに、そう告げてきた。

「……え?」

「クリスマスの日が、もしかしたら夫婦最後の日になるかもしれないから……。そこで、返事を聞きたいんだ」

 夫はわたしのその手を握ると、そう言いながら見つめてきた。  

「返事って……?」  

「その……離婚するかどうかの、返事」

 夫のその言葉は、わたしにとって大きな決断になることを意味している気がした。
 
「……千洋」

「それからクリスマスの日は、とびっきり美味しいディナーを食べよう。 グラタンに、チキンに、クリスマスケーキ。陽花の好きな物をたくさん食べよう」

 そう言って微笑む夫の顔を見て、わたしは「……うん、そうだね」と頷いた。

「陽花と過ごす最後のクリスマスになるかもしれないから……一緒に思い出を、作って欲しい」

「うん。……分かった」

 夫と過ごすクリスマスが、最後の日になるのかどうか。……それはわたしの答え次第で決まる。
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