【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


 そう答える夫は、少し照れ臭そうだった。

「……初めて出会った時から、なんだ」

「ああ。こんなこと言うのは照れ臭いけど……運命を感じたんだ」

「運命……?」

 初めて出会った時から、運命を感じてくれていたんだ……知らなかった。
 そんなこと、聞いたこともなかったから。改めて知ると、なんとなく恥ずかしい気がした。

「そう。 だから出会ってすぐに、陽花と結婚したいと思った。俺の人生をかけて」

「……千洋、教えてくれてありがとう」

「……恥ずかしいな、おい」

 夫は恥ずかしそうに笑うと、わたしの頭を撫でた。

「運命か……」

 わたしたちが運命だったのかどうか、わたしには分からなかった。
 だけど少なくとも夫は、運命だと思ってくれていた。……正直に言うと、嬉しいと感じた。

 そして今、わたしは母親になろうとしている。こうして子供が出来て、家族になろうとしている。
 ……これがいつか、わたしが夢見ていた家族になるということなんだ。

「俺は陽花と結婚出来たこと、すごく嬉しいよ。ずっと幸せだ」

「……千洋」
  
 幸せだと思えるのは、わたしもかもしれない。
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