【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
「はい。到着」
駐車場に車を駐車し、車から降りる。
「結構人、いそうだな」
駐車場に停められた車の数を確認した千洋は、そう言ってきた。
「そうだね。結構混んでそうだね」
「……よし、行くか」
わたしの手を握ってくる千洋。夫婦なのだから、手を繋ぐことになんの不思議もない。
けど、浮気相手とてもこうやってデートしたり手を繋いでいるのではないかと思うと、なんか腹が立つ気がする。
「そういや、陽花」
「何?」
「陽花さ、新しい包丁欲しいって言ってなかったか?」
そう言われたら確かに、いつぞやかそんなことを口にした気がする。 よく覚えてたな、千洋。
「覚えてたんだ」
と歩きながら口にすると、千洋は「当たり前だろ?」と言った。
「包丁、新しいの買うか。なかなか切れなくなってきたしな」
そう口にする千洋に、わたしは「うん」とだけ返事をした。
「順番に見てくか?」
「うーん……そうだね」
夫婦でデートなんて、本当なら幸せなことなんだと思うけど、心から楽しめるかどうかも分からない。
「見て、千洋」
「んん?」