【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


「陽花にほしいものがあれば、プレゼントしたいんだ」

「でも……」

 わたしの答えによっては、わたしたちは離婚してしまうかもしれないのに……。なのになぜ、プレゼントしたいと言ってくれるのだろうか……。

「せっかくのクリスマスだ。 もし離婚することになったとしても……離婚届を提出するまでは、俺たちは夫婦だから」

 夫の言葉にわたしは、ただ夫の目を見つめることしか出来なかった。

「千洋……」

「クリスマスプレゼント、考えておいてくれ」

「……ごめんね、千洋」

 わたしはただ、その一言しか言えなかった。他に何を言えばいいのか、分からなかった。
 こんな風にさせてしまったのには、わたしにも原因がある。……ううん、わたしかもしれない。
 そう思うだけで、後悔が頭をよぎる。

「謝らないでくれ、陽花。こうなってしまったのは、俺のせいだから。……だから俺が陽花のためにしてやれることがあるなら、何でもしてやりたいんだ」

「……ありがとう、千洋」

 夫の気持ちは十分に伝わった。だからこそ、それ以上わたしは何も望めない。
 子供も出来たからこそ、それ以上は何も望めない……。
< 120 / 139 >

この作品をシェア

pagetop