【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


 フルンフルンという雑貨で有名なお店を見つけたわたしは、千洋に声をかけた。

「これ可愛くない?」

 わたしが指差したのは、ネコの顔の形をしたクッションだった。

「本当だ。可愛いな」

「なんかうちのソファに、似合いそうだね」

 と言うと、千洋は「これ買ってくか。フワフワで手触りもいいし」と聞いてきた。

「でもいいの?」

「ああ。陽花がほしいと思ったものは、何でも買ってやりたいんだ」

 そんな優しい言葉をかけられたら、離婚しようとしてる自分をつい忘れそうになってしまう。
 そのくらい、心が揺れそうになる……。

「……じゃあ、一個だけ買おう」

「なんで一個だけ?」

「だってクッション、もう二つあるでしょ?お揃いのが」

 ていうのは口実だ。本当はもう離婚することを決めているのだから、二つはいらないと思っただけなのだけど。

「……確かにな。 じゃあ一個だけ、買うか」

「うん。ピンクと白、どっちにする?」

「陽花はどっちがいい?」

 質問したのはわたしなのに、質問で返された。

「わたしは、ピンクかな」

「じゃあピンクにしようか」
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