【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
○エピローグ〈クリスマスの奇跡〉
「本当に、美味しかったよ」
こんな美味しいチーズケーキ、初めて食べたかもしれない。
「陽花のその顔を見れただけで、俺は満足だ」
「千洋……」
夫が何かを言いかけたような表情をしていた。
そして「陽花。 そろそろ陽花の返事……聞かせてくれないか」と話し出した。
「……うん」
わたしたちがこれからどんな未来を行くのか、わたしの答えで決まる。
「陽花は……どうしたい?」
そう聞かれたわたしは、少しだけ何も言わずに黙っていた。
「……陽花?」
「わたしは……」
わたしたちの未来は……。
「わたしはあなたと……離婚はしない」
そしてその言葉を伝えた後、夫は驚いたような表情を見せた。
「……え?」
「わたしたちは、離婚しなくていいんだって分かったから。……だから離婚はしない。わたしはあなたと、やり直すって決めたから」
わたしはそう夫に伝えた後、カバンから離婚届を取り出して、夫の目の前でビリビリと破いた。
「陽花……」
夫はなぜか、泣きそうな顔になっていた。
「わたしたちには、子供が産まれるの。……家族になるんだよ、三人で」