【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


 大丈夫かと言われても【大丈夫だ】とはとてもじゃないけど、言えない。
 妊娠していることを隠し通すと決めたのに、悪阻に襲われてはいつバレてもおかしくないのでは、と不安になる。
 なんとかして、うまく誤魔化す方法を考えなければ……。

「ちょっと疲れてるだけだから、大丈夫」
 
 と言い聞かせなければ、わたしはダメになる。

「無理するなよ、陽花」

「……ありがと。 ごめん、少し寝る」
 
 わたしは手付かずのクリームシチューを鍋に戻すと、そのまま寝室へと向かいベッドに横になった。

「……早く、言わないと」

 離婚することをこのまま黙っていたら、わたしはきっと余計に惨めな思いをする。このままじゃ、自分が自分をダメにしてしまう。
 そうならないためにも、早く行動に移さないとダメだ。

「……よし」

 そう決意したわたしは、予定よりも早く離婚を切り出すことにしたのだった。




「陽花、体調はどうだ?」

 それからしばらくして、夫はわたしの様子を見に寝室へとやってきた。

「ん……大丈夫」

「そうか。あまり無理するなよ」

 心配そうにわたしを見つめる夫。
< 42 / 139 >

この作品をシェア

pagetop