【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


 そんな俺の肩をそっと叩く永岡。俺は俯いたまま、ただただ唇を噛みしめるしかなかった。

「……行ってやれよ、下條」

 そして永岡は、俺にそう一言言った。

「でも……」
 
 陽花はきっと、俺には会いたくないはずだ。行ったってきっと……面会を拒否されるかもしれない。
 それでも、行くべきなのだろうか……。 

「心配なんだろ?陽花ちゃんのこと」

 でも、やっぱり俺は……。

「……悪い。みんなに早退すると伝えてくれ」

「分かった」

 俺は意を決して、すぐに陽花のいる病院までタクシーを捕まえて向かった。



✱ ✱ ✱


「ありがとうございました!」

 病院に着いた俺は、すぐにナースステーションで陽花のいる病室を訪ねた。  
 
「すみません! 下條陽花の夫なんですけど、下條陽花は、どこの病室にいますか?」

「下條さんですね。 少々お待ください」

 看護師から三階の個室部屋にいると教えられた俺は、そのまま病室へと向かった。
 陽花のいる個室の病室を開けると、陽花は目を閉じて眠っていた。
 
「陽花……?」
 
 と声をかけるが、眠っているため反応はないようだった。
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