【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
「下條さん、こんにちは」
「あ、先生……」
「下條さん、検査結果も特に異常がなかったので、退院して頂いても構いませんよ」
わたしを担当してくれた医師から、退院しても大丈夫だと言われた。
「そうですか。……良かった」
もう退院してもいいんだ……。とりあえず安心した。
「もう無理してはダメですよ、下條さん」
「……はい。ありがとうございました」
その日の午後、無事に退院したわたしを待っていたのは……。
「陽花」
「……千洋?」
わたしの夫であった。
「どうして……」
「迎えに来たんだ、陽花のこと」
夫は昨日のことなどウソのように、わたしに笑顔を向けてきた。
「……来なくていいって、言ったのに」
「何言ってるんだ。もう陽花一人の身体じゃないだろ?」
「だから何?……余計な心配、しないで」
わたしはそう言うと、そのまま歩きだした。
「待てよ、陽花……!」
わたしの後を追いかけてくる夫に腕を掴まれたわたしは、夫の顔を見ることは出来なかった。
「なあ陽花、俺の気持ちを聞いてくれないか?」
「……え?」