【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
「陽花……ちょっとここに座ってくれないか?」
「……なんでよ」
「え?」
思わず出たその言葉に、わたしは唇を噛み締める。
「なんで?どうして……。どうしてそんなに優しくするの?」
そんなに優しくされると、わたしは余計に傷付くし、余計に惨めになるだけなのに。
なんで……。
「俺が優しくするのは、陽花だけだよ。……陽花のことを愛してるから、優しくしたいんだ。ずっと愛したいんだ、陽花のこと」
「……っ」
……なぜか分からないけど、その言葉を聞くと涙が出る。 でもそれがどうしてなのか、分からない。
「だから頼むよ、陽花。離婚したいなんて、言わないでくれ……」
そう言って抱き寄せる夫の身体は、微かに震えていた。
「……千洋」
「俺には陽花が必要なんだ。陽花がいてくれないと、俺はダメなんだよ。……陽花と一緒に、生きていきたいんだ」
そんなことを言われたら、何にも言い返せなくなる。……離婚してほしいと思ってるのに、夫から離れたいと思ってるのに。
「陽花……子供、産んでほしいんだ。俺たちの子供、産んでほしい」