【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
【千洋SIDE】




「下條、お疲れ」

「お疲れ、永岡」

 その日の夜十九時過ぎ、残業になってしまった俺たちだったが、なんとか無事に仕事を終えることが出来た。
 仕事で疲れてしまった俺だったが、帰りにコンビニに寄って夕飯を買うことにした。

「なんか食いに行くか?下條」

「……いや、さっさと家に帰って風呂に入りたいから、帰るわ」

「そっか。じゃあまた来週な」

「おう、じゃあな」

 俺は永岡と別れて、最寄り駅まで歩きだした。家に陽花がいるとは、知らずにーーー。

 駅に到着すると、改札で電子マネーをかざして時間ぴったりに到着した電車に乗り込んだ。
 帰宅時間の電車は結構満員で、電車に揺られながら帰宅している時も、俺は陽花のことばかりを考えていた。

「……陽花」

 俺は陽花と、このまま本当に夫婦が終わってしまうのだろうか……。
 俺の気持ちと陽花の気持ちはすれ違ってばかりで、どうしたらいいのかも分からない。

「……なんでこんなことになっちゃったんだろうか」

 思えばあの時、離婚したいと言われた瞬間から、俺の心にはポッカリ穴が空いた。
< 96 / 139 >

この作品をシェア

pagetop