【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


 こうして陽花が帰ってきてくれて、しかも夕飯まで作ってくれて……。こんなに嬉しいことなんて、ない。
 でもそれは、今までずっと当たり前だったことだった。
 
「……じゃあ、用意するね」

「ありがとう、陽花」

 だからこそ、こうしてまた陽花の顔が見れただけで、それだけで充分だ。
 そして俺は陽花の背中を見ながら、引き出しから離婚届を取り出した。
 
 陽花に離婚届をサインしてくれと何度も言われていたから、書かなければと思い、一昨日その離婚届にサインをした。
 後はこれを、陽花に渡すだけだ。……これで俺たちは、夫婦としての関係を終える。
 
「はい。お待たせ」

 目の前に並べられた夕食たちを見て、ありがたいとさえ思った。 昔から家事や料理が苦手な俺は、結婚してからは全部家事を陽花に任せっぱなしにしていた。

 おかげで陽花が出て行った後から、何も出来なくて……。まともに料理すら出来なかった。
 その時に俺は、本当に陽花がいないとダメなんだと感じてしまった。

「ありがとう、陽花」

「……食べて、温かいうちに」

「いただきます」

 俺は陽花の作ってくれた夕食を、久しぶりに口にした。

「……美味い。美味いよ、陽花」

「良かった」
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