あの日溺れた海は、

 
 あ、と思った瞬間わたしは海の青に囲まれた。まただ。
 
 
 慌てて息を吸おうとしてもうまく吸い込めない。
 
 
 ゴボゴボと口から吐き出された泡が浮遊していく音だけが聞こえる。
 
 
 水の冷たさが肌を突き刺す。
 
 
 どんどん暗闇へと沈んでく。
 
 
 誰か助けて
 
 




 
< 160 / 361 >

この作品をシェア

pagetop