あの日溺れた海は、
なんで亮が知っているの!?
「見てれば分かるよ、はなと何年一緒にいると思ってるんだよ。」
まるでわたしの心を読み取ったかのようにそう答えた。
確かにそうだけど…月といい、亮といい…もしかしてわたしすごくわかりやすいのかな。
「…まだはなのことは好きだけど、俺ははなが笑顔でいればなんだっていいんだって思った。ま、はなが俺の隣で笑っててくれたらそれが一番いいんだけどな!」
わはは、と笑う亮に合わせてわたしも笑顔を作った。
亮の底知れない優しさには感謝してもしきれない。
「でも…どうして藤堂を好きになったんだ?
あんなに近寄り難い雰囲気もあるし、男子の中では苦手な人の方が多い気もするけど、女子はああいうの好きだよな。」
亮は顎に手を添えるとそう言った。