あの日溺れた海は、
それからすぐに中間テストのテスト期間になり、暫くそのことについて考えることはなく日々は過ぎていった。
そして中間テストも終わりまたいつもと同じ日常に戻ったある日。
帰りのHRが終わるや否や、教室でおじいちゃんから部室の鍵を受け取った。
少し前から「いちいち職員室に寄るのも面倒でしょう?」と、おじいちゃんが気を利かせてくれて、教室で受け取るようになった。
そのまま部室へ向かい、部室へと続く廊下の最後の角を曲がると、部室の前に人がいるのが見えた。
それが誰なのかはよく見えなかったが、普段はわたしが一番乗りで部室に着くことが多く、こうして他の部員が先に待っていることなんて滅多にないことだったので不思議に思いながら近づいていった。
そしてその人が誰なのかわかった瞬間に足が止まった。
え、どうして…
そう思った瞬間、その人はわたしに気づいたらしく、びくりと肩を震えさせて、怯えた表情でこちらを見た。
「井上、さん、…」
そして中間テストも終わりまたいつもと同じ日常に戻ったある日。
帰りのHRが終わるや否や、教室でおじいちゃんから部室の鍵を受け取った。
少し前から「いちいち職員室に寄るのも面倒でしょう?」と、おじいちゃんが気を利かせてくれて、教室で受け取るようになった。
そのまま部室へ向かい、部室へと続く廊下の最後の角を曲がると、部室の前に人がいるのが見えた。
それが誰なのかはよく見えなかったが、普段はわたしが一番乗りで部室に着くことが多く、こうして他の部員が先に待っていることなんて滅多にないことだったので不思議に思いながら近づいていった。
そしてその人が誰なのかわかった瞬間に足が止まった。
え、どうして…
そう思った瞬間、その人はわたしに気づいたらしく、びくりと肩を震えさせて、怯えた表情でこちらを見た。
「井上、さん、…」