エリート弁護士との艶めく一夜に愛の結晶を宿しました
　一通り録画していた分を見終えて、興奮冷めぬうちに寝る準備を済ませひとり寝室のベッドに横になる。 金曜日はつい夜更かししてしまうのは学生の頃から変わらない。

　それにしてもさっきのドラマ、妻の本音を聞いた夫はどうするんだろう？

　お互いに好き合って結婚したと思っていたら実は違っていたなんて。しかも妻は他に好きな人がいるってショックだよね。

　でも妻としては好きな人がいたのに周りからの圧力で違う人と結婚したということになる。結婚した相手がなまじ嫌いな相手じゃなかったから彼女なりに悩んだ描写があった。

　どちらもつらい。

　それぞれに感情移入してしまい、胸が苦しくなる。稀一くんに会いたくてたまらなくなった。

　スマートホンの画面を見遣り、やりとりしたメッセージ履歴を見て心を落ち着かせる。

　無事に一線を越えてからは、ふたりで同じベッドに眠るのが当たり前になった。

　主に稀一くんのベッドに私がお邪魔する形で、彼に抱きしめられキスを交わし、温もりを感じながら眠るのはこのうえなく幸せだ。

　稀一くんが帰ってきたらベッドをくっつけるのを提案してみよう。

　内心で決意し楽しみにしていると、不意にここで彼に愛された記憶がありありよみがえり気恥ずかしくなる。私に触れる彼の手はいつも優しくて熱い。

　どうしよう、今日はなかなか寝付けないかも。

　私は何度も寝返りを打ち、逸る鼓動を抑えて無理矢理目を閉じた。
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