エリート弁護士との艶めく一夜に愛の結晶を宿しました
湯船に浸かってゆっくりするのは久しぶりで、私はホッと息を吐く。つわりがひどいときはシャワーだけだったり、髪を洗うために下を向くのも一苦労だった。
熱すぎず温すぎない温度設定は絶妙だ。
「日奈乃」
すぐうしろから名前を呼ばれ、反射的に肩をすくめる。その反応に彼が苦笑を浮かべているのが容易に想像できた。
「少しは顔を見せてくれないか?」
「……うん」
そう返事をしたもののまともに彼の方を見られない。私は今、稀一くんに背後から抱きしめられる形で湯船に身を沈めていた。
『日奈乃も一緒に入ろうか?』と聞かれ、しばらく間を空けてから『一緒に入る』と稀一くんの申し出に答えたとき、彼は大きな目をこれでもかというほど見開いていた。
おかげで、冗談だったのかも!?と慌てたのは言うまでもない。ところが訂正する前に彼は私の手を取り、バスルームに連れて行かれて今に至る。
先に入らせてもらいお風呂の中で彼を待つ。
そうやって意を決していざ一緒に入ってみたものの恥ずかしさで身動きがとれず私は身を硬くしたままだった。
「どうした? もしかして無理して」
「違うの。稀一くんとゆっくり触れ合えるのが久しぶりで、それで……」
私は小さくかぶりを振り、語尾が弱くなりながらも否定する。
つわりの最中、多少のスキンシップはあったもののそちらに意識をとられ、稀一くんも気を使ってか私にあまり触れなかった。
熱すぎず温すぎない温度設定は絶妙だ。
「日奈乃」
すぐうしろから名前を呼ばれ、反射的に肩をすくめる。その反応に彼が苦笑を浮かべているのが容易に想像できた。
「少しは顔を見せてくれないか?」
「……うん」
そう返事をしたもののまともに彼の方を見られない。私は今、稀一くんに背後から抱きしめられる形で湯船に身を沈めていた。
『日奈乃も一緒に入ろうか?』と聞かれ、しばらく間を空けてから『一緒に入る』と稀一くんの申し出に答えたとき、彼は大きな目をこれでもかというほど見開いていた。
おかげで、冗談だったのかも!?と慌てたのは言うまでもない。ところが訂正する前に彼は私の手を取り、バスルームに連れて行かれて今に至る。
先に入らせてもらいお風呂の中で彼を待つ。
そうやって意を決していざ一緒に入ってみたものの恥ずかしさで身動きがとれず私は身を硬くしたままだった。
「どうした? もしかして無理して」
「違うの。稀一くんとゆっくり触れ合えるのが久しぶりで、それで……」
私は小さくかぶりを振り、語尾が弱くなりながらも否定する。
つわりの最中、多少のスキンシップはあったもののそちらに意識をとられ、稀一くんも気を使ってか私にあまり触れなかった。