ボトルメール
「美味しいですねー！｣
「それは良かった。」
「私のクラゲカレー食べます？」
「クラゲって美味しいの？」
俺と全く同じことを楓は言った。
「美味しいですよ？まずは食べてみてください！」
「食べられるクラゲってほんの数種類しかいないらしいな」
佐伯が楓に自分のカレーを皿ごと渡していると彰が謎の知識を披露した。
「よく知ってますね。そうなんですよ食べられるクラゲってビゼンクラゲとかヒゼンクラゲとかしかいないんですよ｣
「随分と海の生き物に詳しいんだな」
彰はそう言ったが、俺も少しだけ佐伯に関心してしまった。
「そんなことないですよ。昔広いこの海のことについて調べ出ただけですから」
佐伯は控え目にそう言ったが、満更でもない顔をしていた。
「午後からどうします？」
みんなの昼ごはんが食べ終わった頃、佐伯が話を切り出した。
「そーだね…アシカショーとかイルカショーとかまだ見てなくない？｣
俺たちが軽く悩んでいると楓が口を開いた。
< 120 / 348 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop