ボトルメール
「確かに!水族館の醍醐味ですよね!」
佐伯は嬉しそうに笑顔でそう言った。
「じゃあ、時間までぐるぐる回るか」
腕時計を見るとまだアシカショーまで少しあったのでそう提案した。
「さっきみたいにはぐれないでくださいね!」
どう考えても先に行った二人が悪いのに何故か怒られた。とりあえず「わかったよ」とだけ返して置いた。
「これ楓先輩が好きそう!」
今度は楓と佐伯が先に行ってしまいそうになった。そして、俺の隣には彰がいる。
「俊ってさ、楓のこと好きだべ」
俺が小さな水槽の中にいる小さな魚を眺めていると突然彰が俺にそう言った。俺は慌てて全力で首を振った。
「いや、否定しなくていいよ。随分前から気づいてるし。なんならさっき二人きりにしてあげたの俺だし。まぁ、佐伯は嫌がってたけど」
彰は随分と落ち着いていた。そして俺も落ち着いていた。別に楓のことが好きなことがバレてもいいと思っているとかではない。二人きりなのに彰が自分の病気について話さなかったからだ。
佐伯は嬉しそうに笑顔でそう言った。
「じゃあ、時間までぐるぐる回るか」
腕時計を見るとまだアシカショーまで少しあったのでそう提案した。
「さっきみたいにはぐれないでくださいね!」
どう考えても先に行った二人が悪いのに何故か怒られた。とりあえず「わかったよ」とだけ返して置いた。
「これ楓先輩が好きそう!」
今度は楓と佐伯が先に行ってしまいそうになった。そして、俺の隣には彰がいる。
「俊ってさ、楓のこと好きだべ」
俺が小さな水槽の中にいる小さな魚を眺めていると突然彰が俺にそう言った。俺は慌てて全力で首を振った。
「いや、否定しなくていいよ。随分前から気づいてるし。なんならさっき二人きりにしてあげたの俺だし。まぁ、佐伯は嫌がってたけど」
彰は随分と落ち着いていた。そして俺も落ち着いていた。別に楓のことが好きなことがバレてもいいと思っているとかではない。二人きりなのに彰が自分の病気について話さなかったからだ。