ボトルメール

「そろそろアシカショーが始めるから行こうぜ」
「あ、もうそんな時間ですか」
佐伯がちらっと腕時計を見てそう言った。
アシカショーがやっている場所まで行くとアシカ達が手を振っていた。もちろん俺たちにでは無く、会場にいるみんなにだ。
自分たちの席を確保してすぐにアシカショーが始まった。
「今日は来てくれてありがとうございます！」
アシカ達とトレーナーの人が同時にお辞儀をした。とても仲睦まじい様子だった。
周りを見渡すと俺らくらいの人達や家族連れ、はたまたカップルできている人達もいた。
そして、俺らの並び順だが左から楓、俺、佐伯、彰の順で座った。というか座らせられた。彰によって。
「可愛いですねー！」
相変わらずテンションの高い佐伯。相変わらず頑張って演技をしている楓。そして、それを見るている俺。彰はよく分からない。
アシカショーは十分程で終わった。俺以外の三人はアシカショーに夢中だった。でも、俺は何も考えずにぼーっとしていた。