ボトルメール
「ごめん…俺…やっぱり死にたくない」
彰は泣きながら苦し紛れに出たその言葉は『助けて』と言われた気がした。
「じゃあさぁ、とりあえず来週に九州行こ?」
「…は?九州?」
彰は涙と鼻水を流しながら驚いた表情をしながら俺に再確認した。俺は、彰も知っている事だと思ってたから少しばかり驚いた。
「うん。その彰の病気について研究してる人が九州にいるから」
「…二人で行くのか?」
彰の言う二人というのは俺と彰のことだろう。もちろん違うので俺は首を横に振った。
「ううん。朱里さんも、俺も、楓も行く予定」
「おばあちゃんも?」
「うん。だってその研究してる人が朱里さんの友達の息子さんなんだって」
「…そうなんだ。もしかして三人で行く予定だった?俺はてっきり俊一人で行くのかと思った。」
「一人で行けるわけないだろ」
そんな会話をしていると海で遊んでいた佐伯と楓が戻ってきた。
「先輩達も一緒に遊びましょー!冷たくて気持ちいいですよー!」
佐伯と楓は今日の服装がスカートだったのでそのまま入ったが俺たち二人はジーパンなので少し巻くって入ることにした。というか佐伯は俺の従姉妹の服だということを完全に忘れているみたいだ。
海に入ると佐伯の言う通り冷たかったが、心地よかった。
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