ボトルメール

研究者

今週の学校は特にイベントがあった訳ではなく、朝練をして、授業を受けて、放課後部活をして帰宅するという日課を送っていた。相変わらず楓は美術部でいい絵を描いては、俺らに見せてきた。ついでに佐伯にも。そして、彰はたまに部活に顔を出してくれるようになった。もちろん見ているだけだが。
部活の方はと言うと、順調だ。俺から向こうに話しかけることはまだ少し慣れないが、向こうは気さくに俺に話しかけて来てくれる。
「そして、再来週の市大会ですが、私たちはシードなので、この二校の勝った方と戦います」
さっき配られた対戦相手などが書かれている紙を見ながら説明をされた。
「関東大会までの相手は決して強い相手では無いですが、油断すれば負けます。そして。皆さんの強みは俊先輩を始めとするオフェンスの圧倒的な攻め力です。ですが逆にディフェンスは弱いです」
佐伯の言う通りだった。俺らのチームの強みはオフェンスだ。最近連携も取れて余計に強くなっていることは自分たちも分かる。でも、ディフェンスは皆無だ。得点をいくら取っても、それ以上を取られてしまうのでは負けてしまう。
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