ボトルメール
そんなことがこの前の放課後の練習で言われた。
そして、明日はついに彰と楓と朱里さんで九州に行く日だ。
「明日は、気をつけて行くのよ?」
母には彰の余命のことは話してないからもちろん今回のことはみんなで旅行とだけ伝えておいた。
「わかってるよ。じゃあ明日早いからもう寝るね」
今回ばかりは遅刻はしてはならなかったので、いつもより早く寝ることにした。
俺は期待を胸に布団の中に入った。
もしかしたら、彰の病気が治るかもしれない。そしたら、またこの前みたいに彰とバスケができるし、彰が原因で楓が泣くこともない。
そんなことを考えながら毛布にくるまった。
次の日の朝。
「ほら、起きてー」
目を開けると、そこには母の姿があった。というか、さすがに寝坊したらまずいので、母に起こしてもらうことにした。
「起こしてくれてありがとう」
俺はすぐに布団から出て、事前に用意してた私服に着替えた。
「はい、これ。お小遣い」
俺が着替えている間なかなか部屋から出てくれないと思ったらスっと三万円を渡してきた。