ボトルメール
地下街をぐるぐる回っていると、パッといいものが目に止まった。
「これにしようかな」
すると彰はその隣にあるお菓子を手に取った。
「いや、こっちだろ」
彰が手に取ったお土産はりんご味のチョコパイ的なやつだった。ちなみに俺が手に取ったのお土産は、佐伯が好きだと言っていたあの国民的のアニメキャラクターがモチーフになった二〇煎餅だ。
「いや、佐伯はこのアニメが好きって言ってたし。」
「あ、そうなん?じゃあそれにするか」
随分とすんなり引いてくれたらしい。でも、彰がとったものも捨てがたかった。そしてふと、俺はいいことを思いついた。
「あ、待て。それ、部活仲間に買ってこうぜ」
「…は?無理だろ。何人いると思ってんだよ」
人数を考えていなかった。たしかに俺たちの部活は人数が多い。
「まぁでも、十六個入りだから、三つ買えば足りるか?」
「あーうん。確か…四十人くらいだから普通に余るな」
「じゃあ、そうするか」
< 220 / 348 >

この作品をシェア

pagetop