ボトルメール

進路

次の日、午後の部活に間に合うように俺たちは地元に帰宅した。
帰り際に、芽吹さんから隠れて彰用に薬を貰っていたのを俺は知っていた。というか、たまたま視界に入ってしまった。
そして、案の定というか、俺は部活に遅刻した。
「あ、先輩。おかえりなさい。」
遅刻下にもかかわらず佐伯はご機嫌だった。
「お、おう。」
それから俺は一旦みんなに集まってもらうように佐伯に声をかけた。
買ってきたお土産がチョコパイということもあり、溶けちゃわないか少しだけ心配だったから先に渡そうと思った。その後、溶けたら自己責任だ。
『先輩!ありがとうございます!』
後輩達は俺にお辞儀をしてお礼を言ってくれた。
三年の奴らは『まじ?ありがてい!』と言っていた。
新チームになってから随分と距離が近くなった気がする。もちろん物理的にでは無く、心理的にだ。
「さ!食べ終えたところで練習再開しますよ!」
佐伯の個人的のお土産は帰りにでも渡せばいいと思った。
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