ボトルメール
俺と楓は冷蔵庫からお茶を取りだして飲んだ後、再びベッドに戻った。また機会を伺って出よう。そう思った矢先、楓は俺を後ろから抱きしめてきた。
「……!!」
そういえば楓の部屋にでかい抱き枕があったな。それと勘違いしているのだろう。
俺もなんかのご褒美ということにしてそのまま寝ることにした。

俺は見つかると変な誤解をしそうなので早めに起きて朝食の準備をすることにした。
「おはよう」
俺が朝ごはんを用意していると楓が起きたみたいだ。随分と大きな欠伸をしている。というか、こっちが欠伸をしたいくらいだ。
「おはよう。朝ごはんならもうすぐできるから顔でも洗っておいで」
「いい匂いがするー」
楓は俺の指示を無視してキッチンまで入ってきた。まだ寝ぼけているみたいだ。
「ほら、早く顔洗っておいで」
俺はもう一度指示をする。そして今思ったが、まるで新婚みたいだ。
「りょうかーい」
楓は軽めの敬礼をして洗面台の方へ行ってしまった。
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