ボトルメール
俺が向かった場所はくるみの家だった。
どうしても気になってしまった。
くるみが知らないままだとしたら、と思うと話すべきだと思った。
俺がインターホンを押すとすぐにくるみがものすごい音を立てながら出てくれた。
「あーなんだ、俊先輩でしたか…」
結婚式以来、久しぶりにあったくるみの顔は随分と顔色が悪かった。
「顔色悪いけど…大丈夫か?」
もしかしたらもう既に彰が眠りについたことを知っているかもしれない。そう思ってしまった。
「とりあえず上がります?」
「あ、うん。お邪魔します」
俺はくるみの家には久しぶりに来た。確か最後に来たのは大学の卒業以来だった。
「好きにくつろいでください。あ、コーヒーでもいれますね」
「あ、うん。ありがとう。」
くるみに『くつろいでください』と言われたが、俺は真面目な話をするために食事をするためのテーブルがある椅子に座った。そして、俺はどんなことから話すべきかをずっと考えていた。
「美味しいか分かりませんがどうぞ。」
くるみは俺の前にコーヒーを置いて、そのまま向かい側の椅子に座った。
「ありがとう。それで…ちゃんと寝れてるか?」
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