ボトルメール
「へー。じゃあ、お互い頑張ろうね！」
楓の行きたい高校は知らなかったがそのニュアンスだと同じ高校受けるのだろうか。
「え？同じ高校受けるの！？」
俺は心の中で喜んでいた。でも、その喜びは一瞬で崩れた。楓は首を横に振った。
「本当はそのつもりだったけど、事情が変わったの。私はもっと遠くの高校を受ける。偏差値は七十くらいかな？」
そうだった…楓と彰は頭が良かった。住んでる世界が違うのだ。幼馴染じゃなかったらこんなに仲良くなることも、楓を好きになることもなかったと思う。
「へ、へー。楓はすごいね」
同じ高校に通うつもりだった俺からしたらショッキングなことだったから動揺してる返事になってしまった。
「私にはやらなきゃいけない事があるから」
「やらなきゃいけないこと？」
楓には夢でもあるのだろうか。中学生なのに偉いな、と他人事のように思った。
「うん。でもまだ秘密。」
そう言って口に人差し指をあてて、片目を瞑っていた。その顔は当然可愛かった。
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