ボトルメール
佐伯に言われた通り急がずゆっくりアップを済ませてから練習に参加した。
練習中はひたすら声を出した。声が潰れるくらいな大きな声を。
大会や練習試合に近いということもあり、適度に練習してから前と同様にミニゲームのようなものをひたすらした。
審判はマネージャーの佐伯とこのバスケ部で唯一審判をすることができる資格を持っている二年生だ。
汗だくになりながら、水筒の中身のスポーツドリンクを飲みながら必死に走り、点を取り、相手に得点を与えないように守ったりした。
「今日の先輩は調子がいいですね」
練習が終わり、汗ふきシートで体を拭いていると佐伯な笑顔でそう言った。
「完全に私のおかげですね!」
「いや、まだ水族館行ってないんだけどな」
俺も笑いながらそう言った。
調子がいい理由はいくつかあるが、一番は再び三人で遊びに行けるという嬉しさから来ていた。
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