ボトルメール
「じゃあいつか教えてね?」
本当は気になるけど笑顔でそう返事をした。
「…うん。いつか教えてあげる…」
いつもより元気の無い返事だった。
「どうし…」
元気の無い楓が心配だったので、聞こうとしたが授業開始のチャイムがなってしまった。
「何?」
俺が何かを言おうとしたことが聞こえていたらしいが俺は首を横に振った。
「ううん。なんでもない」
そう言ってからロッカーに授業に必要な教科書などを取りに行った。
授業中、楓は真剣に先生の話を聞聞きながら板書をしていたが、俺はずっと上の空だった。
(なんでずっと楓は、友達の家に泊まっているのだろうか。最後に彰が起こしに来た日は一ヶ月くらい前くらいだからその日までは普通に家にいたと思う。喧嘩でもしてんのかな)
ずっとそんなことを考えていた。喧嘩をすることは姉弟なので普通によくあることだ。でも、大抵はすぐに俺が仲直りさせたりするのだが今回は喧嘩していることすら知らなかった。