ボトルメール

そして、いつものように食卓に座り、ご飯を食べている。ちなみに、今日は鯖の味噌煮だ。
「それで…どうなったの?」
普通ならこの質問だけだと事足りない。でも、絶対に彰のことだろう。
俺は今日あったことをそのまま両親に伝えた。でも、九州に行くことは伝えなかった。言ったら多分子供たちだけで行かせるのはダメとか言ってついてくると思ったから。
「そうか…。それは良かったな。」
質問した母よりも先に父が頷きながらそう言った。
「じゃあ、明日にでもうちに連れてくれば?」
「うん。明日の部活の練習試合の後、そのままうちに連れてくるよ」
夜ご飯を食べ終わり、自室に入った。
自室の灯りをつけてベッドにダイブをすると窓がコンコンと音を立てた。
「あ、ちょうどよかった」
窓を開けると俺はすぐにそう言った。
ちょうどいいというのはもちろん、うちに連れてくる提案と練習試合に顔を出してもらうことを伝えるためだ。
「俺が呼んだんだけどな」
彰は少し笑いながらそう言った。読んだということは俺に用があるということだろう。
「どうしたの?」
「別に用事とかはないんだけどな。ちょっと寂しくて」
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