相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
あれから二年・・・

遥の口から子供のコトは訊かなくなった。
諦めているワケではなさそうだけど。

遥も三十四歳。

三十五歳を超えると色々とリスクが生じて来る。
聖弥のコトを考えると・・・今でも辛い。

泣きたくなる時があった。

我が子を失った悲しい経験を生かして、この二年間努めて来た。

その間にも医療は進歩し、体外受精の技術も大きく向上していた。

「わーい・・・僕にもパパができたみたい」
奏多君は無邪気に喜んでいた。

こうして、休日の公園で三人で過ごす。
他人が見れば、きっと俺と七海さんは夫婦で、奏多君は俺達の息子。
そう見えるだろうなぁー・・・


これが俺と遥の望んでいた家族。

「俺のパパになった気分だ…今日はマジでありがとう…奏多君」

擬似的だけど…俺は奏多君のパパになっていた。

俺は聖弥と奏多君を重ねていた。





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