相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
彼の隣には高校時代の先輩・相良先輩の姿。
「!?相良先輩・・・」
「奏弥か…」
相良加那斗(サガラカナト)
彼は中学高校と同じサッカー部に所属して、仲良くさせて貰っていた先輩。
彼はエースストライカーで全国大会でも活躍した。
あのまま、サッカーを続けていれば、プロになれたかもしれない逸材だった。
先輩と会うのは許婚の裕美さんの入院で駆けつけ来た時以来だから五年振りだ。
「全くあの時は驚きましたよ…挙式当日に逃げちゃうなんて…」
「そう言えば…お前も招待していたな」
先輩は俺に過去のコトを突っ込まれ、苦い笑みを浮かべる。
先輩は知っているのだろうか?
許婚の裕美が俺の従兄と結婚したコト・・・
「で、愛する彼女とは駆け落ちして、今の一緒に居るんですか?」
「いや…」
「そうなんですか・・・
あれから、相良先輩の元花嫁は別の人と結婚して、東亜で赤ちゃん産みました。俺が担当しました」
とりあえず、俺は相手のオトコは俺の従兄だとは伏せておいた。