相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
もう少し先輩と話をしたかったけど、俺の首に提げた院内用のPHSが鳴り響いた。

「槇村です…あ、はい。分かりました…今行くから…それまでお願い」

俺はPHSを切り、軽く息を吐く。

分娩の催促だった。

「あ…先輩とはもっと話をしたかったけど…急ぎます…」

「お前も結婚したんだな…」

あ、そう言えば…先輩は俺と遥の披露宴には来なかったな・・・

「あ…はい…先輩の失踪事件があってから…直ぐに結婚しました…」

先輩の失踪事件があった年に俺と遥は結婚した・・・

――――俺達が結婚して五年が過ぎていたんだな…
改めて、月日の流れを感じた。



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