相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
そして、またこの世に新たな命が誕生した。

「今橋さんの赤ちゃん、大きいですね…」

「それでも…頑張って生まれたよ…母は強いね…」

つい一時間前に産まれた赤ちゃんを遥と一緒に見つめた。

新生児室から、二人で出ると常盤さんと相良先輩が居た。

「当初の予定通り…出来る限り…」

常盤さんも奥さんの初めての妊娠で色々と思い悩み、戸惑っていた。
戸惑うのは無理もない。
「まぁ、立ち話では何ですので…休憩ルームで待って居て下さい…直ぐに行きますから…」

俺と常盤さんが話をしている隣で遥をジッと見ている先輩の視線が気になった。

そう言えば、先輩には一度も遥を紹介していなかった。

「あ…相良先輩には紹介していなかったね…
彼女が俺の奥さん…新生児科の医者」

「奏弥さん‥どなたですか?」

「高校の先輩。同じサッカー部だったんだ」

「初めまして…妻の遥です」

「相良加那斗です」

「じゃ私は戻りますね…奏弥さん」

「うん」

遥はNICUに戻って行った。




< 107 / 212 >

この作品をシェア

pagetop