相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
それを言われると反論できない。

「遥ちゃんはお前に子供が出来れば…もっといい産科医になれると思っている…」


遥は実子が欲しいと切望しているが、俺は養子を貰ってもいいと考えていた。
兄貴と和香ちゃんに血のつながりはない。それでも、家族だ・・・

「俺は養子を貰ってもいいと思っている…」
「・・・何だ?俺達を見て、そう思ってるのか?」
「まぁな…」

「・・・」
兄貴は半年前に再婚した。
相手は和香ちゃんの保育園時代のお世話になった保母の芽衣(メイ)さん。
兄貴よりも一回り年下の二十五歳の若くて可愛い女性。
和香ちゃんも芽衣さんに懐いていた。
「兄貴を見てて思う…血のつながりが無くても…家族になれるんだと…」

「俺達は特殊だ・・・俺達を見習うな…お前はまだ・・・実子が儲けられる…遥ちゃんとチャレンジしてみて…ダメなら・・・最終手段として残しておけばいい」

遥は何が何でも…もう一度挑戦したいようだった。

俺は嘆息して、視線を彷徨わせる。

「…お前が選んだ女性だろ?最後まで付き合ってやれ…」




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