相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
私の申し出からずっと逃げていた奏弥さん。
私と真剣に話をする気になったよう。

「・・・遥の申し出を受け入れて…もう一度体外受精に挑戦する…」

「奏弥さん…ありがとう…」

「・・・でも・・・チャンスは一度だ…俺はそれ以上は同意しない…」

「・・・挑戦して、授からなかった場合、貴方は養子を取るつもりでいますが…私は授からなかった場合は離婚します…」

「!!?どうして!!?」

奏弥さんは血相を変えた。

「私は貴方に実子を持って欲しいんです…」

もし、授からなかったら、私が妻では二度と我が子は授かれない。

でも、他の女性と再婚すれば、彼は我が子を授かれる。

「・・・この体外受精に俺達の離婚を賭けるのか?遥」

「はい…」

「・・・何だよ!?それ・・・俺は遥さえいればいいと思ってるのに…自分のキモチを曲げて…同意したんだぞ…」

「キモチを曲げてないでしょ?貴方は子供が欲しいクセに…それを我慢している…」

「子供子供って…」

「・・・奏弥さんの為を想って言っているんです…私は貴方を愛してます…だから…もっと…医者として…」

彼は盛大な溜息を吐いた。

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