相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
二人でエレベーターに乗り込んだ。

「…やはり…妊娠で免疫力が下がったから…」

「・・・でも、まだ・・・再発したとは限りませんよ…」

「そうだけど…」

奏弥さんも私の白血病が再発したと捉えていた。

「本当に神様か意地悪だな…俺達に色々と試練を与えてくれる…」

聖弥の時もそうだった。

私の妊娠には様々な問題が勃発した。その度に、二人で苦しんだ。

「・・・その紫痣、いつ分かったんだ?」

「つい一時間前かな…」

「…そっか…何があっても…二人で乗り越えような…遥」

「うん」

奏弥さんはそっと私の手を握りしめた。

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