相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
血管内科医局を訊ね、杉村先生と同期の安達和志(アダチカズシ)先生に診てもらった。
長身に甘いマスクの持ち主で、杉村先生と同じく独身らしい。
東亜には独身貴族の医師がまだまだ沢山居た。

「突発性紫痣病の可能性もあるし…とりあえず、明日採血や骨髄穿刺で詳しい検査をしよう…」

「遥をお願いしますよ!!…安達先生」

奏弥さんは安達先生に懇願した。

「槇村先生…」

「貴方だけは頼りです…」

「はいはい…」

「すいません…安達先生」

「・・・遥先生は高坂院長の初めて持った担当患者だと訊いています。
実は俺の指導医が高坂院長でした…貴方のコトは良く訊かされました」

「へぇー…」

「待ってて下さい…書類をお持ちしますので…」

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