相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
二人で一礼して、カンファレンスルームを出た。

「妊娠継続が出来たとしても…多胎だ…遥のカラダに対する負荷は計り知れない…」

「…どちらかを諦めと言うの?」

「…そうした方がいいと思うけど…遥は俺の考えに同意しないよな…」

「しませんよ…」

「そう言うと思った…」


「あ・・・」

私は足を止めて、お腹を触った。

「今…どっちかが動きましたよ…」

「えっ?」

私は初めて胎動を感じた。

「何だか…お腹の内側を蹴られたような感覚ですよ…奏弥さん」

「・・・無邪気なもんだな…」

奏弥さんを足を止めて、お腹に手を当てた。

「もしかして…俺の言葉に対しての抗議かな?それなら・・・悪かった…謝るよ…」

「・・・奏弥さん…」

「…俺も色々とITP患者の出産例を調べて…全面的にサポートできるように勉強しないとな」

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