相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
私達はタクシーで東京に都心に向かい、海沿いの『フロンティアホテル・東京』でディナーを楽しんだ。

「君は大学病院の医局秘書なのか…へぇー…」

「はい…」

父・槇村奏弥は私が勤務する『東亜医科大付属病院』の院長を務めていた。

そして、彼はアメリカのコロンビア大学付属病院で外科医をしていたと言うエリートドクター。
彼の細く長い指先を見ているとピアニストかと思ってしまった。
外科医と訊いて、変に納得してしまった。
外科医は医者の中でも細やかなメス裁きが要求される。そして、Hも上手らしい。
性的なコトに結びつけてしまう私はかなり欲求不満かもしれない。
「君の元カレは?」
「あ…彼は単なる合コンで知り合ったIT企業の営業マン…彼…口が上手いから、私もコロリと騙されました…」

「・・・ディナーの後はどうする?俺の部屋に来るか?」

「え、あ・・・」

―――一夜の過ちか・・・
一度は体験したいと思っていた。

イケメンだし、いいっか…

「貴方がいいと言うなら、行きます…」


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