相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
俺は気を取り直して、食堂に向かった。

「!?」

渡り廊下で何と花音と鉢合わせした。

嘘だと思いたかったが、一昨日朝まで過ごした女だった。

向こうも俺の顔を見て驚いた表情を見せていた。
ディナーの時にキチンと大学病院の名前を訊くべきだった。

東亜だと知れば、手を出さなかった。

「槇村さん…貴方って槇村院長の娘ですよね…」

「あ、はい…」

俺は思い切って話し掛けた。

「あの…後で院長がお呼びなので…俺について来て下さい…」

「え、あ…父が私を…分かりました…」

「では、食後・・・此処で待って居ます」

「分かりました…」

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