相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
私達は早朝の産婦人科の診察室を借りて、診察をした。

検査用のゼリーを私のお腹に塗って、超音波装置のドレープをお腹に滑らせ、赤ちゃんの様子を見た。

「思ったよりも血種が大きいな…」
不正出血は今も続き、量的には日に日に増していた。
「赤ちゃん、大丈夫?」

「…追加で、トラネキサムも飲もうか…」


「はい…」

「心音さえ、聴こえれば…大丈夫だよ」

奏弥さんはドップラーで赤ちゃんの心音を確認した。

ドッドッドッ・・・と赤ちゃんの拍動に私達は耳を傾ける。

「元気な心音だ…この子が俺と遥の子供だと思うと…朝から涙が出て来る」

「奏弥さん・・・」

「・・・ゴメン…」

奏弥さんの瞳からは大粒の涙が溢れた。

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