相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「泣かない約束だったでしょ?」

「これは嬉し涙だ…遥」
奏弥さんは白衣の袖で涙を拭いた。
やっぱり、彼はずっと我が子を待ち望んでいた…


その涙で、私は何が何でもこの子は奏弥さんの為に産もうと決意した。
ひと通りの診察を終え、奏弥さんが母子手帳に赤ちゃんの様子を書き込む。
私達の赤ちゃんはまだ九週目。

「はい…お大事に…じゃまた明日」

「明日って…」

「冗談だ…でも、時間があれば…診察させて…遥と俺の
の子だ。毎日でも診察したいよ・・・」


「奏弥さんってば・・・」

「実感なかったけど…こうして、エコーで姿を見て、心音を聴いたら、すぐに実感が湧いた…何かあれば、いつでも、俺にコールして来いよ…遥」

「うん…奏弥さんって心配性ね…」

「そりゃ、心配するさ…遥は大病を患ってんだ…出来れば、俺が代わりに産んであげたい気分だけど…こればかりは無理だからな…」





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