相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
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「本当に父に言うんですか?」
「あぁ~」

花音は消極的だった。

「絶対に怒りますよ…」

「怒られるのは覚悟している…」

「・・・」

「着いたぞ…」

院長室のあるフロアに辿り着いた。

エレベーターホールに下りても尚、足を竦ませる花音。

「俺に任せておけばいい…」

「でも・・・」

「いいから…」

俺は彼女の手を引っ張った。

あの時、空港で出逢ったのは運命の出逢いだったのかもしれない。

体外受精で授かるコトが当たり前になった世の中。
自然で赤ちゃんを授かるコトが出来たのは奇跡と言ってもいい。

・・・まだ父には伝えていないが、どんな反応を示すか院長に伝えるよりも怖かった。


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