相思相愛マリアージュ（後）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

「・・・結婚したことはダディの俊吾さんに訊いたわ…私に別れを告げられたからと言って…腹いせで結婚するコトないじゃない…」

「何の騒ぎだ？」

最悪のタイミングで院長が入って来た。

「長谷川先生？」

「院長…」

「何だ!?急患ではなかったのか？長谷川先生」

「院長ってコトは…この病院のトップね…初めまして…私はジェシカ・ボールドウィン…彼の元カノです・・・」

「ジェシカ！！？」

俺は慌てて彼女の口を手で塞いだ。

「・・・長谷川先生…スーパーモデルと交際していたんだ…凄いな…」
院長・・・口許では穏やかな笑みを浮かべていたが、目が怒っていた。

ジェシカは俺の手を引きはがして、院長に近づいていく。


「・・・相手の女性は病院で働いていると訊きました。彼は彼女のハニートラップに引っかかって…やむを得ず…結婚したんです…妊娠は女性の策略だと思います。院長の力で別れさせてください」


「違う!?違います！！ジェシカ…俺はお前の別れ話を了承した…お前に未練はない…」

「・・・長谷川先生…ちょっと…」

院長は険しい顔で俺の白衣を袖を掴んだ。


そして、彼女に背を向けて、コソコソと二人で内緒話。