相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
部屋に戻り、私は杉村先生がプリントアウトしてくれたエコー写真をずっと眺めていた。
妊娠のせいだろうか…食欲は湧かなかったが、不思議とみかんだけは食べるコトが出来た。

妊娠したら、酸っぱいモノが欲しくなる…ガセネタではなかった。
私はスーパーでみかんを大量に購入し、夕食代わりにみかんを食べる。

奏弥さんの帰国も後二週間と迫っていた。

辻教授は安定期まで内緒にしろと言っていたが、私は奏弥さんと新たな命の誕生の喜びを分かち合いたかった。

でも、奏弥さんは私を許してくれるだろうか・・・不安だった。

―――他の夫婦に先を越され続けた私達。

その私達もようやくパパとママになれる。
奏弥さんにようやく我が子を抱かせてあげるコトが出来る。

私は愛おしく何度もお腹を摩った。

私と奏弥さんの赤ちゃんが今…お腹の中に居るんだと思うと嬉しくて堪らなかった。




< 3 / 212 >

この作品をシェア

pagetop