相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「これ…遥が編んだの?」

由夢がサイドテーブルに置いていた編みかけのかぎ針の靴下を手に取った。

「うん…片方は編めたんだけど…まだ・・・片方は完成してないの…」

「ママ…この靴下とってもちいさいよ・・・」
「だって…赤ちゃんが履く靴下だもん…」

「赤ちゃん?」

「あ・・・楓には言ってなかったわね…奏ちゃんとハルちゃん…パパとママになるのよ」

「へぇー・・・わたし、赤ちゃん…だっこしたい・・・いい?奏ちゃん」

「え、あ・・・そうだな・・・」

「赤ちゃんはどっち?おとこのこ?おんなのこ?」

「まだ・・・小さくて…どっちかは分からないよ…ゴメンね…楓ちゃん」

「わたしは女の子がいい…和香ちゃんと二人でかわいがってあげる…」

「ありがとう…楓ちゃん」
奏弥さんは笑顔を湛え、楓ちゃんの頭を撫でた。

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