相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
外来とオペをこなし、夕暮れ時、遥の病室を再び訪れた。

「奏弥さん・・・」

「・・・気分はどうだ?」

遥の瞳は赤く充血していた。
遥も俺の言葉で動揺しながらも色々と考えたんだろう。

「・・・奏弥さん…貴方に謝りたい…」

「・・・別に・・・いいよ・・・俺ももう少し言葉を選んで言えば良かったんだ・・・」

「奏弥さん…私…貴方に申し訳ないコトしたわ・・・」

「・・・遥…」

「・・・ねぇー・・・もう一度…動いている赤ちゃん見たいんだけど・・・いい?」

「・・・いいよ・・・俺だって見ておきたい…」

俺と遥は同じコトを考えていた。

いつ亡くなってもおかしくない我が子。
目の前に居れば、二人で抱き締めてあげられるのに。
俺と遥の子は・・・

遥のお腹の中。
まだ、この世に存在すらしていない。

小さな小さな命。

このまま儚く消えるのかと思うとやりきれない。
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