相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「ただいま・・・遥」

「お帰りなさい…奏弥さん」

二ヵ月振りに見る夫。

アメリカのコロンビア大学付属病院。
世界レベルの神の手を持つドクターたちが集う医療の最高峰で、彼は短期間ではあったが、そんなドクターたちの中でスキルを積んで来た。

「顔色…良くないな…」

「そう?」

「・・・風邪でも引いた?」

「奏弥さんは?」

「まぁ、ニューヨークの冬は東京の冬よりも寒かったけど…風邪引いてる暇はなかったよ…」

彼はソファに腰を下ろし、深い溜息を付いた。

「何飲む?」

「…ミネラルウオーターでいいよ」

私はキッチンの冷蔵庫を開けて、冷やしておいたペットボトルのミネラルウォーターを奏弥さんに渡した。

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